この記事の要点

  • EVでも長距離ドライブや帰省はできます。500km級の移動を急速充電1回で走った実走例もあります。
  • カギは、充電を「待ち時間」ではなく、食事やトイレなどの休憩と重ねることです。
  • 連休や年末年始は充電待ちに備え、出発前の満充電、アプリ確認、混みやすいSAを避ける工夫が必要です。

EVをためらう理由として、「近所はよくても帰省や旅行は無理では」という不安があります。何度も充電で止まり、長く待たされるイメージがあるからです。

実際には、航続距離に余裕のある車を選び、出発前に充電計画を立てれば、長距離移動は十分に現実的です。ポイントは、急速充電を休憩と重ねて、移動全体のリズムに組み込むことです。

500kmを充電1回で走れる例もある

東京から大阪までの約500kmを、途中の急速充電1回で走破した実走レポートがあります。途中のサービスエリアで30分充電し、全体の所要時間は6時間半弱でした。

この30分を食事やトイレ休憩と重ねれば、充電だけのために待つ感覚はかなり小さくなります。車種や季節、速度、渋滞で結果は変わりますが、いまのEVで数百kmを走ることは特別なことではなくなっています。

500km移動で必要な急速充電回数はカタログ300km級で2回、400km級以上で1回の目安であることを示した棒グラフ
図1:500km移動で必要な急速充電の回数の目安。実走行をカタログ値の7〜8割と見た保守的な単純試算です。

充電回数は航続距離で決まる

長距離で何回充電するかは、車の航続距離しだいです。カタログ約400km以上の車なら、500kmの移動は途中1回の急速充電で足りることが多くなります。300km級の車でも、2回ほど見ておけば計画できます。

大切なのは、カタログ値をそのまま使わないことです。高速道路、気温、冷暖房、荷物、走り方で実走行は短くなるため、カタログの7〜8割で考えると安全です。

充電は休憩と重ねる

長距離を快適にこなすコツは、充電を休憩と重ねることです。2〜3時間運転すれば、人もトイレ、食事、コーヒーのために休みたくなります。その休憩を急速充電スポットのあるSA・PAで取れば、車も同時に回復します。

急速充電は満充電まで待つより、80%前後で切り上げるほうが効率的です。80%を超えると充電速度が落ちやすいため、休憩ごとに必要な分だけ継ぎ足す考え方が向いています。

時間は少し伸びるが、段取りできる

ガソリンの給油は数分ですが、急速充電は1回30分ほどかかります。そのため、EVの長距離はガソリン車より少し時間が伸びることがあります。

ただし、500kmの移動で30分の充電を1回挟む程度なら、移動全体に対する差は限定的です。家族での帰省や旅行では、こまめな休憩は安全運転にもつながります。最初から休憩込みで予定を組めば、負担はかなり小さくできます。

アプリで事前に計画する

長距離では、出発前に経路上の急速充電スポットを確認しておくと安心です。高速道路のSA・PA、目的地周辺、もし混んでいた場合の代替スポットまで見ておくと、行き当たりばったりになりません。

よく使う経路なら、「このSAで昼食と充電」「ここが混んでいたら次へ」といった定番の流れができます。慣れるほど、充電計画は特別な作業ではなくなります。

帰省ラッシュは弱点として備える

注意したいのは、連休や年末年始の帰省ラッシュです。交通量が集中する時期は、人気のサービスエリアで急速充電の順番待ちが起きることがあります。1台あたり30分かかると、数台待ちでも時間が伸びます。

対策は、出発前に自宅で満充電にしておくこと、アプリで空き状況を確認すること、混みやすい大きなSAを避けること、出発時間をピークからずらすことです。ここはEVの現状の弱点ですが、複数口化や高出力化が進むほど改善していきます。

長距離が多い人の車選び

長距離をよく走るなら、航続距離に余裕のある車を選ぶほど楽になります。500km級の移動で充電回数を減らしたいなら、カタログ航続400km以上をひとつの目安にすると考えやすくなります。

急速充電の受け入れ出力も重要です。同じ30分でも、多く充電できる車ほど次に走れる距離が伸びます。冬の帰省が多いなら、ヒートポンプ式暖房やバッテリーを温める機能も確認してください。

出典と前提

図表の充電回数は、実走行をカタログ値の7〜8割と見た保守的な単純試算です。実際の必要回数は、車種、気温、速度、渋滞、荷物、急速充電器の出力で変わります。

東京-大阪500kmを充電1回で走った例は、CARSMORAの実走レポートを参考にしています。ロングドライブ時の計画や休憩と充電の考え方は、EV DAYSの実証記事も参考にしています。

資料の対象地域・車種・時点に注意してご確認ください。

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