この記事の要点
- EVは残量が減ると警告や出力制限で知らせるため、いきなり止まることはほとんどありません。
- 電欠したら安全な場所に避難し、JAFや保険のロードサービスを呼びます。
- JAFのEV救援データでは、電欠よりタイヤや12Vバッテリー上がりのほうが多くなっています。
EVで不安に挙がりやすいのが、走行中に駆動用バッテリーが切れる「電欠」です。ガソリン車のガス欠に近い状態ですが、EVでは残量が減るほど警告が増え、出力も制限されるため、気づかないまま突然止まるケースは多くありません。
それでも電欠してしまった場合は、無理に動かそうとせず、安全確保とロードサービスへの連絡が基本です。EVは押しがけできず、車種によってはけん引方法にも制約があるため、プロに任せるのが確実です。
EVはいきなり止まらない
バッテリー残量が少なくなると、メーターに残量低下の警告が出ます。さらに減ると、車種によっては出力制限の表示が出て、加速や最高速度が抑えられます。日産車などで知られる「亀マーク」も、この段階のサインです。
この表示が出たら、まだ動けるうちに近くの充電スポットへ向かう判断が必要です。残量表示や航続可能距離は、坂道、高速走行、冷暖房、渋滞、寒さで変わるため、表示を最後まで使い切る前提で走らないことが大切です。
電欠はEVトラブルの多数派ではない
JAFの2024年度EVロードサービス救援データでは、EV対象の救援は合計9,419件でした。そのうち電欠は1,049件で、全体の約11%です。最多はタイヤのパンク・空気圧不足、次いで12V補機バッテリー上がりでした。
つまり、EVのトラブルは「電欠ばかり」ではありません。タイヤや12Vバッテリーといった、ガソリン車でも起きる基本的なトラブルが上位を占めています。
12Vバッテリー上がりは電欠とは別
EVには、走行用の大きな高電圧バッテリーとは別に、ライト、カーナビ、制御システムなどを動かす12Vの補機バッテリーがあります。この12Vバッテリーが弱ると、駆動用バッテリーに残量があっても車が起動できないことがあります。
これは電欠とは別のトラブルです。長期間乗らない、補機類を使いすぎる、バッテリーが古くなる、といった原因で起きます。対処は車種や状態によりますが、ロードサービスや販売店に相談するのが安全です。
電欠しそうなときの動き方
残量低下や出力制限の警告が出たら、まずスピードを控えめにし、冷暖房や電装品の使い方を見直しながら、最寄りの充電スポットへ向かいます。高速道路なら、次のサービスエリアやパーキングエリアに入る判断を優先してください。
本線上で止まりそうな場合は、無理に走り続けず、安全な退避場所へ寄せることを最優先にします。停車後はハザードを点け、道路上で作業せず、状況に応じてガードレールの外など安全な場所へ避難します。
止まってしまったらロードサービスへ
完全に電欠した場合は、JAFや加入している自動車保険のロードサービスへ連絡します。EVはガソリン車のように携行缶で燃料を入れてすぐ再出発、という対応がしにくいため、最寄りの充電スポットまでレッカー搬送するのが基本です。
車種によっては、駆動輪を接地したままけん引すると故障につながることがあります。自分で押す、ロープで引く、無理に動かすといった対応は避け、ロードサービスの指示に従ってください。
現場で充電できるサービスも広がっている
近年は、電欠したEVに現場で充電するサービスも広がっています。JAFは充電機材を搭載したサービスカーの配備を進め、電欠時にその場で一定量を充電し、最寄りの充電スポットまで自走できるようにする取り組みを行っています。
ただし、現場充電の対応可否は地域、道路状況、契約サービス、車両状態によって変わります。いつでもその場で充電できると考えるのではなく、基本は早めの充電計画とロードサービス連絡先の準備で防ぐもの、と考えておくのが現実的です。
電欠を防ぐコツ
遠出では、経路上の充電スポットを事前に確認し、残り20〜30%になったら次の充電候補に寄ると決めておくと安心です。山道、高速道路、冬場、強い冷暖房を使う日は、表示される航続可能距離より短めに見積もります。
日常では、スマートフォンのようにこまめに継ぎ足す使い方で問題ありません。残量を極端に減らしてから充電するより、自宅や目的地で少しずつ足しておくほうが、電欠の不安を減らせます。
出典と前提
図表はJAFの2024年度EVロードサービス救援データをもとに作成しています。電欠時の警告表示、出力制限、けん引条件、12Vバッテリーの扱いは車種により異なります。実際の対応は取扱説明書、販売店、ロードサービスの案内を優先してください。
一次資料・公式の確認先
資料の対象地域・車種・時点に注意してご確認ください。
- JAF:2024年度 EVロードサービス救援データ救援件数と電欠件数。EV保有台数に対する発生率ではありません。
- JAF:BEV充電サービスの全国実証実験対応車両や現場条件によって、充電・搬送などの対応が異なります。
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