この記事の要点
- 日本の2035年目標は新車販売の「電動車」100%で、EVだけでなくHVやPHVも含みます。
- いま乗っているガソリン車や中古ガソリン車が、急に使えなくなるわけではありません。
- 世界ではEVの新車販売比率が2024年に2割超、2025年に約25%まで伸び、2030年代に主役へ近づく見通しです。
「2035年にガソリン車が買えなくなる」と聞くと、いま車を買ってよいのか不安になります。結論から言うと、日本でガソリンだけで走る新車は減っていきますが、ガソリンを使う車がすぐ消えるわけではありません。
大切なのは、「EVだけになる」のか、「電動車になる」のかを分けて見ることです。日本の目標はEV専用の義務化ではなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も含む電動車への移行です。
まず「電動車」と「EV」を分ける
日本の政策で使われる「電動車」には、EV、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車が含まれます。つまり、モーターを使う車全般を指す言葉で、EVだけを意味するわけではありません。
そのため「2035年に電動車100%」は、「2035年にすべてEVになる」という意味ではありません。ガソリンエンジンを持つHVやPHVも、電動車として扱われます。
日本では2035年以降もHVは残る
日本政府は、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にする目標を掲げています。ここにHVが含まれるため、日本では欧州のようにエンジン車の新車を全面的にゼロエミッション車へ置き換える制度とは性格が違います。
したがって、日本では2035年以降もハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が販売される可能性があります。一方で、純粋なガソリン車だけの新車は、メーカーのラインアップや規制対応の中でかなり少なくなっていくと考えるのが自然です。
いまの車や中古車が急に使えなくなるわけではない
2035年目標は、基本的に新車販売の方向性です。すでに所有しているガソリン車の走行や、中古車の流通をただちに止めるものではありません。
実際の入れ替わりはゆっくり進みます。新車販売が変わっても、道路を走る車全体が置き換わるには10年以上かかります。短期的にはガソリン車、HV、PHV、EVが混在する期間が長く続きます。
世界では2030年代にEVが主流へ
世界全体では、EVの比率はすでに大きく伸びています。IEAによると、2024年の世界のEV販売は新車販売の2割を超え、2025年には約25%まで上がりました。さらに現行政策ベースでも、2030年には4割超に達する見通しです。
この見通しでは、2030年代に入ると世界の新車販売の中心は、ガソリン車からEVを含む電動車へ移っていきます。ただし、国や地域によってスピードはかなり違います。
地域差は大きい
中国や欧州ではEV化が先行しています。IEAは、中国では2025年にEVが新車販売の半分を超え、欧州でも3割前後まで伸びたと整理しています。ノルウェーのように、新車のほとんどがEVになっている国もあります。
一方で、日本や米国は地域差が大きく、充電環境、車種構成、政策、価格の影響を受けます。日本では軽自動車、HV、集合住宅の充電課題があるため、EVだけが一気に主流になるというより、HVやPHVを含めて段階的に移行する可能性が高いです。
EUは日本より厳しい
EUは2035年から、新車の乗用車と小型商用車についてCO2排出を100%削減する目標を導入しています。これは、走行時に排出しないゼロエミッション車への移行を強く求める制度です。
日本の「電動車100%」とは、ここが大きく違います。日本ではHVも含むため選択肢が広く、EUではEVや燃料電池車を中心に置き換える方向がより明確です。
では、いま何を選ぶか
いま車を買うなら、使い方で選ぶのが現実的です。自宅や職場で充電でき、日常の走行距離が読みやすい人はEVが合いやすくなっています。長距離が多い、充電環境がまだ整わない、1台で何でもこなしたい人は、HVやPHVも有力です。
ただし、これから保有期間が長い車を買う場合は、リセール、燃料費、税制、充電インフラの伸びを含めて考える必要があります。2030年代に向けて、ガソリンだけで走る新車の選択肢は徐々に狭くなる前提で見ておくと判断しやすくなります。
見通しは変わりうる
EVの普及ペースは、電池価格、車両価格、充電インフラ、補助金、各国の規制で変わります。短期的には伸びが鈍る年もありますが、長期の方向としては、新車販売の主役が電動車へ移る流れは変わりにくいと見られます。
「いつ完全にEVだけになるか」より、「自分の次の1台でどこまで電動化を取り入れるか」を考えるほうが実用的です。日本では当面、EV、PHV、HVを使い方に合わせて選ぶ時期が続きます。
出典と前提
図表はIEAのGlobal EV Outlook 2025および2026の世界EV販売比率と2030年見通しをもとに、2035年の主流化イメージを簡略化したものです。EVはBEVとPHEVを含みます。
日本の2035年目標は経済産業省の自動車・蓄電池産業関連資料、EUの2035年規制は欧州委員会の乗用車・小型商用車CO2基準に関する資料を参考にしています。制度や各国目標は今後変更される可能性があります。
一次資料・公式の確認先
資料の対象地域・車種・時点に注意してご確認ください。
- 経済産業省:充電インフラ整備促進に関する取組集合住宅の普通充電、高速道路の急速充電、整備目標。
- IEA:Global EV Outlook 2026世界のEV市場と将来見通し。予測値は確定した将来の実績ではありません。
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